生協も改革を
三菱東京銀行とUFJ銀行との経営統合の突然の発表は世間を驚かすとともに、大きな衝撃を与えた。また、リコール隠しなどで社会の信頼を失った三菱自動車も存続の瀬戸際に追い込まれている。
これは、方向を一つ間違えれば、あるいは社会の信用を失えば、大企業といえども、市場から撤退を余儀なくされ、破綻への道を駆け降りることもあることを警告としていると受け止めなければならない。
コンプライアンスの大切さが言われているが、来年4月から個人情報保護法が実施に移される。これから、情報の開示と個人情報の保護・管理の両立を図っていくことは、生協にとって最も大切なことの一つであると思う。
今、生協は大きな岐路に立っている、いや、立たされていると実感している。存続をかけた闘いを始めなければならないと認識すべきである。すなわち、組合員ニーズに応えることができなければ、退散もありうるということである。この危機意識を常にもち続けなければならないと私は職員に言っている。言い換えれば、組合員から「そっぽ」を向かれたらおしまいである。そして、今、この流れが始まっていると感じるのである。すなわち、組合離れ、生協離れが大きな流れになろうとしていることを感じる。この流れを阻止することは容易ではない。まさに、生協にとって真価が問われる時期に突入する、いやしているかもしれないと思う。
これから、生協にとって、変らなければ生き残れない厳しい時期、すなわち正念場を迎える。そして、活路を見いだすには、厳しいときにこそ、生協の基本・原点にたちかえることが大切であると思う。
そのキーワードは「組合員」であると考える。「組合員とともに歩む」「組合員に愛される」「組合員を大切にする」「組合員ニーズに応える」生協であるために、抜本的な構造改革を進めなければならない。
同時に、役職員の意識改革も並行して推進しなければならない。待ったなしの時間との闘いの火ぶたが切って落とされている。
冒頭述べた経済界・産業界の生き残りをかけた熾烈な競争の中で、生協も決して圏外でないことを肝に銘じて、改革を断行していく必要があると認識する。
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